興味のある試合が何個か有ったんで観て来ました。
男子のプロレスを観戦するのは5.2新日本ドーム以来…何故か、新日づちゃってますが、これは結果論ですから

始まるギリギリに当日券売り場にて\3000の二階自由席を購入。
この二階自由席、二階スタンドのN列以降の席種を全面自由席にしたものなんです。思い切った事をします、新日本は
急ぎ、階段を上って、2Fトイレで用を足していると武道館の中からエルサムライのテーマ曲が漏れ聞こえてきました。
どうやら夕方6時キッカリに始まったようです。

武道館の扉を開けると驚きの光景が、なんと北側全面黒幕で覆われていたんです。
最近では全日本でも新日本でも武道館を使う際に黒幕で席を覆う行為って、普通に行われているのですが…
今回のはインパクトがデカイ、2Fから1F、そしてアリーナまで全面黒幕で覆われているのです。
しかも北東、北西も…全面において2Fから覆われていました…北、北東、北西が暗黒に呑まれています。
これって、これから進む真っ暗な日本の未来をも連想させるのに十分な程にイメージ暗いです。

35歳から上の人達、65歳位になると戦争の記憶も積んでますから
要するに日本人が有史以来、1番愚かであった今を生きる35歳から55歳位の層が
バブル時に遊び呆けていたそのツケは20代後半の世代が直撃でツケを支払わされ、
更には次の世代の子供達も何十年に渡って延々償わなければいけない話なのかと、考えると本当に息が詰ります。
自分達は欲望に走ったあげく、何ひとつとして長期的な計画で物事を捕えられなかった阿呆なんです。彼等は!
こっちは恨み言の一つでも言いたくなります。真面目な話。

北側は入場ゲートを作り、その脇にはアリーナ席が左右に5列ずつ辛うじてある程度。なんとも淋しい…
新日本の発表だと観衆8,500人となっています。が

元々、日本武道館の総合計座席数は14,471席しかありませんし
http://www.nipponbudokan.or.jp/soumu/html_1/index6.html

プロレスの場合、アリーナ仮設席の配置で数千は増やせそうな気もするもあくまで数千、1000,1500の誤差だと思うんです。
ですから超満員の実数入場というのが若干多く見積もって本当の超満員の実数が16000前後だとしても…
今回は北、北東、北西を全面潰し、アリーナ席こそ、8割の入りだったものの
1F席は7割弱、2Fスタンドは\5000の前の方の指定席こそガッチリ埋まっていたものの
自由席にされている部分は正面に当る南側こそ、人が埋まっているだけで西、東、南東、南西は疎ら…

う〜ん…8,500人も居たのかな?って少々疑問がけれども近い数字だとは思います。
が、500ってキッカリの部分が怪しいんです。7000人前後が実際の来場者じゃないでしょうか?憶測ですが



第1試合 (15分1本勝負)
○垣原賢人、田口隆祐、スタンピード・キッド、AKIRA
(12分29秒 カッキーカッター > 片エビ固め)
×外道、邪道、藤田ミノル、エル・サムライ

みんな、それぞれ良く動いていました。
Sキッド、多分…始めて生で試合見たと思うんです。
割り当て時間が短い中で(10人居て、12分半ですから独り、1分でも出番が貰えれば上等)
独自の動きを出していた、とは思います。

田口もグリーンボーイらしいドロップキック一辺倒なのは清々しかった。
BESTOF THE SUPER Jr.優勝者の垣原は最後にちょろっと出て決め係を受け持っており、これも優勝ご褒美の一環なのかな?って



第2試合 (20分1本勝負)
○獣神サンダー・ライガー、金本浩二
(11分15秒 垂直落下式ブレーンバスター > 体固め)
×獣神サンダー・えべイガー(えべっさん)、杉浦貴

えべイガーって、フザケテますが…これ、田中リングアナがコールしていましたから正式なものだと、思います。
名前から連想される通り、ライガーっぽいニュアンスを入れたコスチュームで試合をしていました。えべっさんは

杉浦が金本と混じると途端にシリアスになったりもしましたが
えべっさん以外の他の三人はえべっさんに呑まれていて、完全に
大阪プロレス的なムードで試合が進み…えべっさんがライガーに対してSWを放ったり
(打ち終わった後には武藤の物真似ポージィング付き)
中々楽しかったです。

にしてもえべっさんの入場テーマ曲は良いですね。
「…えべっさんだぁ♪えべっさんだぁ♪えべっさんだぁ♪」と繰り返しが入る部分は祭事を思い出し、高揚します。
日本人がもっとも馴染む、日本らしいリズム、鼓動なんでしょう。多分、遺伝子に刷り込まれているんです。祭囃子の鼓動は



第3試合(20分1本勝負)
○スコット・ノートン(3分45秒 パワーボム > 片エビ固め)×ブルー・ウルフ

ノートンが大好きな私は久々の生ノートンが観れて嬉しかった。
圧倒的なパワーでねじ伏せるパワーファイト、筋肉の固まりがぶつかり合う、ヒッティング感は心地よく
ラリアットの打ち合い、ショルダータックルでの意地の張り合い、普通じゃ有り得ない腕の太さで絞めるチンロック、
どれも素晴らしい技ばかり。
最後は叩き落す、超竜ボム(ああ、ジュラシックパワーズ)で終わるという理想的なフィニッシュに満足。



第4試合(20分1本勝負)
○鈴木みのる(6分58秒 スリーパー・ホールド)×成瀬昌由

鈴木が先発入場。頭から被ってました、タオル。雰囲気出しまくりです。
風になれ!の曲に合わせて入場する為にリング周囲をウロウロするのも変っていませんでした。
…と、鈴木の試合を生で観たのは何年振りだろうか?って考えたら…最近、パンクラスの観に行ったのは去年の正月の
後楽園ホールが最後だったような…その頃にはもうグラバカ勢うんぬんって、完全に世代が入れ替わってしまい
鈴木の居場所はパンクラス内にありませんでしたし…

記憶に薄っすらと残っているのは謙吾のデビュー戦を武道館まで観に行ったあの日。
98年の秋になるのかな?高橋との試合で高橋がレガースを付けていないと分るや
開始直前になって鈴木もレガースを外して望んだ試合です。あれはあれで結構、印象に残ってます。だとしたら約5年振り?

鈴木は黒のショートタイツに黒シューズ、クラシカルな昭和新日本スタイルで登場。

会場の声援は成瀬オンリーで、完全に外敵鈴木を迎え打つ、新日のナルって構図で
ファンから身内として受け入れられて良かったです。成瀬は
私も成瀬好きなもので、新日ファンと一緒に声援を送っていました。

雰囲気としては新日本vsUの構図の進化版といった様子で格闘技プロレス、総合格闘技の形をプロレスルールの枠に
納めた格闘技とプロレスの折半モノです。中々燃えます。Uの時代を体感した者はこ〜ゆ〜のに弱いんです。

最後の決め手となったのは鈴木がスリーパーホールドでロックしたまま、成瀬を背負い投げで
後ろにふっ飛ばした後に、うつ伏せに平伏した成瀬へスリーパーで絞め続けて勝利。
成瀬がタップしたのか?レフリーが止めたのかわは見えませんでしたがそれで終わりました。

試合後に鈴木がマイクを握ってアジると置くの方からコスチューム姿のままな金本が押し掛けて来て
乱闘になりかけ、ましたがセコンドに止められて頓挫。
鈴木はそれを演じた後、リング四方にお辞儀して撤収。礼儀正しい人です。



第5試合(30分1本勝負)
○エンセン井上(1分44秒 ギロチンチョーク > 反則)×安田忠夫

エンセンが余所見をしている隙に(プロレスなんで油断したのかも?小原等、セコンドと喋ってました)
安田がタックルで押し倒してギロチンチョークをかけ続け…レフリーが止めても安田がこれを聞かないから、反則負けに

その後に犬軍団と魔界倶楽部で少しだけ、揉めて撤収。魔界倶楽部登場=不透明決着な図式です。
10試合もあるから、何試合かわ、この手合いでやってくれた方が
スパイスにもなるし、進行的には早めに終わってくれてYesだね。って

真面目にやれ〜!って怒りの野次も少しだけありましたが、
今時のプロレスファンは真剣にプロレスを観ている人の方が少ないですし
野次というモノは本来、受け狙いの性質があると思えばノイズの部類ですね。
要は目立ちたいんでしょ。気持ちの篭ってない野次で目立とうとするのは全くもって愚かな行為だなって思います。
直観で分りますよ。気持ちが乗っているか、乗っていないかわ
何事にも当て嵌まるとは思うんですが本人が本気じゃないモノって周りは巻き込めませんからね



第6試合(30分1本勝負)
○柴田勝頼(7分41秒 リングアウト)×永田裕志

永田の腕折り攻めとか、が見れました。
あ、あとは…柴田がオープンフィンガーグローブを付けていて、
永田のマウントを取った後に永田の腕をコブラクラッチに固めたまま頭部へパンチをバコバコ入れてました。
船木の引退試合になった、ヒクソンがとったあの戦法です。

永田のリングアウト負けはセコンドに居た数名の魔界倶楽部が場外で相手をしていたお陰です。
柴田も狙っていたようで永田をリングに入れないようにしていました。

ゴングが鳴って、裁定が下された後にリングへ戻った永田は柴田の頭を掴んで中腰にしたまま、
顔面に膝を何発も入れていましたがリングアウト勝ちで柴田が勝ちは得たものの、永田は未だ未だ強いんだよ!って
のを見せ付けた…というバランスなんだと思います。


 
第7試合(30分1本勝負)
○中西学(1分51秒 逆十字固め)×長井満也

中西のハンマーパンチが観れました。
これでK-1対策も万全でしょう?や、多分、負けるかな…あのコンビネーションじゃ…
第5試合から星野総裁はセコンドに付きっぱなし、それだけ魔界が活躍している証拠でもあり、ご苦労様です。



休憩、15分程。
小便を垂れて、アイス\150を購入。



第8試合(60分1本勝負)IWGP Jr.ヘビー級選手権試合
○四代目タイガー・マスク(15分37秒 タイガー・スープレックス・ホールド)×村浜武洋
※王者タイガーマスクが初防衛に成功。

そういえば、タイガーは大阪プロレスに凄く怨みがあるとか…で、村浜とも噛合っていませんでした。
後半のハイスポットの部分からは的確に丁々発止をやってましたが
前半パート、少し間延びしたのが否めません。
信頼関係の構築が上手くいかないギクシャクしたプロレスってのも魅力的ではあるんですが、
それが悪い目に出たようです。特に前半は

村浜のセコンドにはライガーがついて、応援を確か、二人は大阪プロレス認定のタッグチャンプチームだったかな?

村浜はチャンスが巡って来ては良い仕事する。だけの仕事師タイプで終わってしまう危機感があります。
このままだと勝利者タイプには為れない?



第9試合(60分1本勝負)IWGP タッグ選手権試合
○吉江豊、棚橋弘至(26分08秒 ダイビング・ボディプレスから 片エビ固め)×天山広吉、蝶野正洋
※吉江・棚橋コンビが、蝶天タッグを下し第44代IWGPタッグ王座に就く

蝶野の膝、だいぶ悪いみたいです。全然動けていないし
常に膝を庇った動き…お陰で肩にテーピングを巻いて負傷している天山が試合の8割動いてました。
コーナーに控えている蝶野が偶にアシストする位です。

つまり、殆どが天山と吉江と棚橋の三人で回していた訳でその前半パートはどうにも退屈極まりなく
客側も最初の3分までは入場時からテンションが保たれるものの10分前後になると…雰囲気が膠着してきてしまい、お通夜に

で、15分過ぎから蝶野が少しだけ参加するようになり
雰囲気を盛り返し出してから20分前後から始まったハイスポットには客も盛り上がりました。
序盤から延々通しで出ずっぱりだった天山は最後にタナと吉江の集中砲火を浴びて負けてしまった。
とのイメージラインです。

試合を観ていてG1出れるのかな?と蝶野の膝も心配にはなりましたが
天山ってここで負けて、今年のG1も獲れないようだと…問題が噴出しそうだから今年のG1優勝者は天山で決まり、と行きたいです。
ここ数年、ガタガタだった新日本を地味ながらも安定した働きで常に支え続けていた功労賞という具合で優勝をあげちゃうのは
悪い話じゃないんじゃないかなって思うんです。



第10試合(60分1本勝負)NWFヘビー級選手権試合
○高山善廣(11分49秒 ジャーマン・スープレックス・ホールド)×中邑真輔
※NWFヘビー級王座5度目の防衛に成功

試合時間は短いですが中邑はよくぞ、大役を果たした。と思えます。
高山が闘っているNWF戦では1番良い内容でした。力皇戦よりも上だと、思います。

斜め前に居たOL二人組み
(女性が同性同士、彼氏連れで来ていない。というのは珍しい光景かと
しかも、お水風やモデル、芸能関係の招待席に座るケースのそれではなく
一般OLが安い席で同性の友達同士で来るというのは奇跡に近い話なのですが)

それまでも蝶野、天山、棚橋など…女性受けしそうな選手にはそこそこ熱心に見ているようでしたが、拍手をする程度で止まり。
メインになると、それがどうですか「しんすけぇ〜」とか、黄色い声援を出してたりします。
アンタ等、中邑目当てだったんか?と

中邑は新規ファンやら、女性ファンなどの開拓に成功しつつあるようです。
それだけ期待がかけられているんです。中邑には
私も、武道館に来たのは中邑の試合が観たかったからであり、新日本ファンの大半も中邑へ声援を送っていました。
彼は今、新日本の希望の星なんですね。

これは未だ、色の付いてない青田買いを楽しむファン等のそれでは無くて
メインイベントで場内から中邑を推す声が多かったので証明出来る話で
中西の復活や、永田の起動待ちや、棚橋の躍進への期待を飛び越して
会場に脚を運んでいるファンの殆どが中邑に未来を賭けている現れだと思います。

中邑なら、何かやってくれそうだ。という期待感というか特有のカリスマ性は、中々手に入れられるモノじゃないですし

中邑は高山のビッグブーツに何発も耐えました。
高山も中邑のレスリングに付き合ってクロックヘッドシザースを出したりもしました。
決定打は中邑が高田道場式の片足タックルを獲り行った際にそれを高山の膝で捕えたんですね、中邑の顔面にパコーンと
武道館に響く音がしてダウンしちゃった奴です。
そこからが中邑の動きが途端に鈍くなり、反撃に転じたりするも最後はジャーマンで投げられちゃいました。残念。

しかし、その負けっぷりにも色気があっていいです。中邑は
期待の新鋭が高い壁に当って砕けちった感という図式は潔いモノに見えます。

試合が終わって、中邑が帰ると…安田がマイクを持って高山を挑発。
で、魔界倶楽部がリングに上がり4対1位で高山をボコボコに…これにはウケました(客の中には怒ってる人も居ましたが)
私は可笑しくて笑っていたら

なんと、外人選手達が高山を救出。今日の試合には出ていないペリーサタンやリックスタイナー、
ダンデバイン、真壁等が魔界倶楽部を追っ払うボーナストラック付きです。
居るんなら、試合が観たかった…リックとサタンとデバインは。
(高山はThank you guysとか労を労っていたり、マイクが拾ってましたが)

最後は高山の仕切りの元「ノーフィアー」コールで〆

この大会は面白かったです。格闘技色の強い中での久々の鈴木みのるや、中邑への期待やら…魔界倶楽部は相変わらずだし
そんなアンバランスさに新日本らしさを美馬した。

18:00に始まって高山が入場ゲートで外人選手達と勝ち名乗りを上げて去った後に証明が明るくなったのが21:03位と、総計3時間。
IWGP Jr.ヘビー級選手権とIWGPタッグ選手権の間延び分と休憩時間をカットして進行を30分早めたらピリッとしたかも?
本当は二時間ちょい、が理想です。長くて盛り沢山なのがお徳という時代じゃないですから
みんな、今を生きる人達は学生でも社会人でも時間に追われている訳でハリウッドが二時間フォーマットに拘るのは
何も再販メディアの容量や上映時間のサイクルを早める為だけじゃ無い筈なんです。