blogに書き残したモノを、加筆修正したモノになります。


新日本プロレスの地方巡業5月30日(日)幕張メッセ国際展示場・11ホール 観衆 1,800人(満員)をふらりとみてきました。

(実際、会場で椅子席の数を列数×番号で、ささっと数えて……携帯に付属している計算幾で計算した数字を出してみると
1236席の椅子が置かれていることがわかって、場内は8割5分ほど埋まっていたから。観客動員数、1100未満〜1050ぐらいが実数なのかと
で、プロレスリングの興行にはスポンサー、関係者と称する謎の集団に招待券をけっこうの数、蒔きますから。
本当にチケットを買った人は何人居るのかな?と。怖い数字も出てきたりします。日本最大のメジャー団体が休日の昼間、政令指定都市で興行を開いても
1000人ちょいしか集客できない現実。幕張近辺の地理に詳しい人は了解していると思いますが、あの付近一帯、ここ20年で隣の東京に勤める人たちの
ベッドタウンとして、公団やら、新しいマンションが未だにガンガン増築されている人口密集地帯なのです。幕張メッセというと土地のイメージとして
バブルの投資で失敗した企業や県の建物が並ぶゴーストタウンという印象をもっている人もまだ、多いと思います。記憶に新しいし
が、ここ5年で驚くほど幕張は活性化してきて、海外資本のスーパーマーケットの進出などで、休日でも人が賑わっている光景が普通になっています。
幕張近辺に住んでいる人も、遊びにくる街に変身しているから、集客面でいうと休日、海浜幕張の駅前には一万人単位の買い物客がうろうろしている場、なのですが
それでもマニア相手にしか商売していないプロレス会場に1000人も。人が集まったから良しとする……そんな時代なのかも)

新日本の地方大会を観戦するのは数年ぶりだったかも?ドームとか武道館だったらみに行ってるんですけど(それでも半年に一度、行くぐらいですが)
地元だし、幕張メッセまでは自転車でいけるから軽い見物がてらな感じ
今回はBEST OF THE SUPER Jr.XI 公式リーグ戦の真っ最中だったのですが、その大会自体には興味なくて……
幕張大会はウルティモ・ドラゴンvs中嶋勝彦の試合(リーグ公式戦)が組まれているからソレ目当ての部分が大きかったです。
あとはオマケ……

大会のことを軽く、箇条書きでインプレッションをば。メモ代わりとして

●1.新日本BEST OF THE SUPER Jr.の公式戦を会場で数年ぶりにみたような気がしますが……
一時期の新日本Jr.と比較しても明らかに何かが劣っているような。
獣神サンダー・ライガーvsエル・サムライのJr.ベテラン同士の濃くのある試合とか、公式戦数々組まれていましたが
私の琴線には触れてこず。なんだかJr.のくせに重い技ばかりだして、動きものろのろしてるし、え〜これがJr.なの?って絶句。
私が普段みているWWEの試合テンポの速さと比較しても恐ろしいぐらいにのろのろだったので……ゲンナリ。
ライガーとサムライがここ10年、Jr.に居座っているのは功罪かも

●2.その中でもロッキー・ロメロは動ける良い選手。いかにも最近の新世代軽量級外人選手って感じで小柄な身体で、筋肉が張ってて
ぽんぽん動けそうな良い選手。ただ、対戦あいてがタイガーマスク(4代目)だったから、良さが殺されていたのは残念。
タイガーをみて思ったのはは、悪い意味で小さく纏まってしまったのかな、と。
歴代タイガーを名乗る訳ですから、最初っから先代たちとの比較をされる事は宿命だったと言え、4代目は4代目なりのローカルな個性が感じられずに
佐山タイガーの劣化コピーとしての存在価値しかないような気がしました。4代目そのものには全く魅力を感じない……今までの歴代タイガーたちは先代に負けないように
いろいろと試行錯誤しながら各々がタイガーマスクという名前に染まらないローカルな確固としたモノがあったんですが、4代目にはその匂いがまるで無い。
癖が無さ過ぎるのは1人のレスラーとしては問題だと思えます。このままタイガーマスクのフランチャイズに入ってる人生ならそれも又、良し?……や、違うな。

●3.垣原は……ツマラン試合しかせず。Uスタイルで頑張ってればいいんじゃないのかな?と
新日本じゃないとお金稼げないから、生きて行く上で仕方ないのかもしれませんが。
ヘッドロックで決める試合展開も地方ではイマイチ浸透せず。マニア客が少ない地方だと誰しも専門誌を読んでるわけじゃないし

●4.ウルティモ・ドラゴンvs中嶋勝彦は会場でも注目度満点。第三試合なのに声援飛びまくり(9.5割が中嶋君へ向けて)色々な部分で興味をソソられた試合でしたが
中身を空けてみたら中嶋のポテンシャルの低さから防戦一方な、ウルティモ横綱相撲な試合に。
中嶋のシングルマッチ、初めて生で見ましたけど……あれは未だ客前に出す商品じゃないな、と思え。キャリアからしても仕方の無い部分なのかもしれません。
新日本はよくこういった、格を無視した若手登用をして注目度を集める興行会社として今までもやってきたし、これからもやっていくんでしょう。

私はこの試合の中嶋君をみても何も感じず……10代の青少年が頑張ってるな〜ぐらいのとくに何もひっかかるモノはありませんでした。
中嶋君、今は注目されているけれどもこのまま行くとどっかでポキっと折れそうで怖いです。やはり人間下積みは大事なんだな、と改めて思いました。
経験こそが宝と、なにも訓練をさせないで戦場に放り出すのもアリだとは思いますが
(放りだされた場が、熾烈を極めれば極めるほど、連度は上がっていく成長も驚くほど早いですが
やってる本人にしてみれば即席栽培の中で、周りの人が思っている以上に消耗が激しいんです)少し心配。

●5.休憩時間が終わりそうなころ、会場内に入れたトラックの影に隠れる形式で第一試合に出ていた西村が写真撮影会を催しておりました。
(正式なものじゃなくて、サイン会の流れでファンに要請される形式。誰彼かまわず気兼ねなく写真を撮らせて、握手もしてました。
選手との生の触れ合い。地方巡業ならでわ。私もガッチリと握手。西村の握力は強かったです。もう、そんな些細なことで満足度が変わってくるから人間って現金だなぁと)

●6.第6試合の佐々木健介vs矢野通は矢野の田吾作スタイル、ヒール攻撃で反則裁定。
さくっと試合終了と短い間でキャラを印象づけた矢野と、それを臨機応変に受けた健介の二人が噛合って面白かったです。
休憩明けの良いスパイスになりました。新日本では極端なギミックって嫌われる伝統がありますが
矢野は大勢いたレスラーの中でもキャラ立ちして、目立っていたからあのまま進めて欲しいなあと

●7.天山広吉&金本浩二vsヒート&鈴木みのる、このタッグマッチはみのるの常に挑発し続ける異色な存在が際立って、面白い試合になりました。
しかし……天山と金本、生粋の新日本育ちだから今じゃ根っからのベビーフェイスなんですね。
新日本ファンも親しみを込めて応援していたし。外様のヒートと外人部隊のみのるはヒール。この構図は数年まえからの新日本の構図そのものなのかもしれません。
外部からくるレスラーたちに良いようにチョッカイを出される新日本育ちのレスラーが本隊を死守する。といった感じの

●8.中西学vs棚橋弘至のシングルマッチはもっとも新日本らしいメインというのか、ストロングスタイルと俗称されているシングルマッチで最期を〆る。なかなか爽やかな終わり方。
乱入やその他の妨害行動もなく、普通に試合して、決着をつけて終わり。と……中西の試合を見ててもなんでこれだけの一材が10年近くも埋もれているのか?理解に苦しみます。
勿体無い。宝の持ち腐れとは正にこれ。パワーで圧倒するスタイルとか個人的な好きなので、私は中西を高評価しているのですが……
身体ごとぶつかる当りの重そうな胴タックルや、アルゼンチンバックブリーカー、最期の決め技で出したジャーマンスープレックスホールドなど凄いなぁと思われてくれるものの……何故か浮上せず。
本当に中西の存在自体、勿体無いと思え。中西のキャリアからしてもIGWPをまだ一度も巻いていないのは(安心して会社が任せられない?)不運だなぁと。

●9.メインの試合、本当はこの後の日程で大阪で棚橋はボブサップのIWGP王者へ挑戦する予定だったから、本来ならば中西とのシングル戦、仮想ボブサップとなる筈で。
棚橋が苦戦するも藤波辰爾社長から伝承されるはずのドラゴン殺法で3カウントを取る。予定だったのかもしれませんが、K-1MMAで非常に情けない負け方をしたサップは戦意喪失、米国に帰国したまま戻ってきません。
K-1側としてはIWGP王座を返上すると公式にコメントを出したりもしていて(現時点で、新日本側は認めていませんが)棚橋が挑戦するはずのIWGP王座自体が宙に浮いてしまい
どーにもこーにもならない話になってます。だからこの試合も本来ならばタイトルマッチに挑戦する前の若手選手のセールス期間として
なんとしてでも負けない(もしくはイメージを貶めない試合の終わり方)になるのがセオリーでしたが、幕張大会では真っ向勝負した形で正面から負けてしまった……と。

独りパイレーツ中西が勝った訳です。これはIWGP返上を想定しての(現時点では、ほぼ9割方ボブサップはIWGP返上。宙に浮いたベルトを棚橋と誰かで競わせて王座決定戦をするのが妥当かと)
シナリオ書き換えによる分岐点だったのかもしれません。
現時点(2004.6.4)ではK-1MMAでサップから勝利した藤田と、もともとの挑戦者だった棚橋の二人をIWGP決定戦としたいらしいですが、藤田のブッキングは取れない状態。
なんとも情けない話です。日本国内プロレス団体の最大王手、新日本プロレスが主催するタイトルマッチのイベント管理が出来ないなんて……。2004年のプロレスはここまで堕ちたのかと寂しくもあり。

メインイベントで勝利した中西が撤収する後ろ姿京ぽんに装備されている11万画素CMOSカメラで撮影した中西退場の後ろ姿。携帯でもメガピクセル標準なのにイマドキ11万画素って……